DX担当になった時、DX開始時の進め方のポイント
あらゆる企業に共通の組織の課題
人事制度の設計・再構築のポイント
1 人事の軸を決める
2 あるべき人材像明確化の重要性
3 あるべき人材像の探求と能力定義の方法
4 あるべき人材の能力階層化の方法
心理学(交流分析)の活用によるコミュニケーション力の向上方法
自立人材育成のために、教育しておくべき基本中の基本
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人事制度の設計・再構築のポイント2~あるべき人材像明確化の重要性

 人事の軸を決めるときに、重要なあるべき人材像

人事の軸よって、従来からある人事の機能、教育、評価、処遇、採用、定着がうまく回るようになり、近年言われている戦略人事やタレントマネジメント、人事DXも円滑に進めることができるようになります。

人事制度の設計・再構築のポイント1~人事の軸を決める

ということですが、この軸を決める時に、もっとも重要なのがあるべき人材像の定義になります。あるべき人材像とは、企業が育成した結果であるところの、わが社の人材とはどのようなものなのか、その理想の姿となります。

つまり、あるべき人材像が明確であることによって、人材育成のゴールが明確になるということです。人材育成のゴールが明確になれば、上司から部下への指導方針、指導内容や、階層別教育プログラム、eラーニングのコンテンツは何を採用すればよいかも明確になります。

また、あるべき人材としての振る舞いがどれだけできているのか評価基準も明確になり、評価面談でのフィードバックも具体的にできるようになります。これにより、評価の納得性を高めることも可能です。

さらに、1on1面談等の部下指導においても指導の拠り所になり、一回ごとの面談において方針をもって臨むことができます。したがって、1on1面談が単なる雑談に終わることなく、初級管理職が部下指導するにあたって戸惑うことも無くなるでしょう。

 理念体系をもとに、あるべき人材像を定義する

理念体系が出来ていて、行動レベルの事項にも言及があればこの定義自体は難しくはありません。その理念を実践している人材があるべき人材ということになるからです。

しかしながら、現実的には多くの企業では、理念体系が形成されていく過程はまちまちであり、社是、経営理念、経営方針、行動規範、あるいはパーパス、ミッション、ビジョン、バリューの整合不足や、言葉の繰り返し、重複があったりします。よって、明確に行動レベルで人材像と紐づいている企業はそう多くはありません。

さらに、グローバル化やM&Aによって異なる企業文化を取り込んでいる場合、グループ各社において、適用自体にどのような時間をかけ、どの深さまで徹底するかといったことも考えねばなりません。

したがって粘り強く、理念に紐づくあるべき人材像を行動レベルに落とし込み、あるべき人材を育成していく仕組みをつくるのが人事部門の重要な役割ということになるわけです。

人事部門は、創業以来のわが社やグループ会社の歴史をひも解き、なぜ今のような理念体系ができているのかを誰よりも詳しく知る必要があります。理念体系は創業者の経営の理想であったり、また合併によってできた企業グループであれば統合されてきて折衷的なものになっていたりする背景もあるでしょう。

さらに重要なのは明文化されているものでだけではなく、言語化されていない価値観や成功(失敗)体験も織り込んで、わが社ならではの人材の行動レベルの特性を明らかにしていくことです。

例えば、企業の歴史の中で、倒産の危機に瀕した時、ある共通行動が突破口となり、危機を脱したという経験がある企業も存在します。そのときの教訓が企業に根付いていたりする場合があります。よって、そのようなものを丁寧に拾っていくのです。

発掘していく場合には、社内広報誌、昔の会議資料等を収集し、それらをもとに経営者や役員インタビューをしてみるのもよいでしょう。

さて、わが社の人材にふさわしいあるべき人材像が明文化できるものとして見えてきたら、行動規範やバリューに追加していったり、理念の解説マニュアルを作ったりして、言語化して残していくことが重要です。なぜなら、これが人材育成時の拠り所になるからです。

次は、そのあるべき人材がもっているべき能力とはどのようなものなのかを考えます。

人事制度の設計・再構築のポイント3~あるべき人材像の探求と能力定義の方法
 
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